マッスる!

伊豆の美術解剖学者こと加藤公太先生@kato_anatomyのツイートを真似して、一昨日アップした自分の絵に筋肉の地図的なのザックリ描き入れてみました。

鋼の巨人?w

いざこうやって描いてみると今まで曖昧なまま描いてた箇所が自分でもよく分かったり。
間違えてるトコも随所にあるかもしれません。(三角筋と僧帽筋の合わせめの辺りとか微妙……)

 

ただ、ボディビルダーの写真を眺めてると、どの筋肉が働いたらこんな箇所にこんな陰影が出るんだ?って分からなくなる写真もちょくちょくある。
加藤先生が著名な彫刻や絵画の上に描かれてる筋肉地図を元絵と並べて見比べても、必ずしも体表の凹凸・陰影と筋肉の流れ・分布がキッチリ一致してるというわけでもなくて。

このズレはどこから出てくるんだろうな~……と、いくつかの理由を考えてみました。

1.筋肉の奥にある骨格からの影響

筋肉は腱によってその内部の骨に結節してるので、その骨の隆起が筋肉を通して体表の凹凸にまで影響与えることがある。
この影響は背中とりわけ肩甲骨まわりで顕著なような。(勇次郎さんでお馴染み「鬼の顔」ってヤツ)

広くて薄いお皿みたいな肩甲骨は、体の中では肋骨の上に単に乗っかってるような仕組みで上下左右に結構大きく自由に動き回れる。
それを四方八方から色んな筋肉が引っ張って背中のあの位置に留めてるけど、肩甲骨周りの筋肉群は割と薄くて小さいヤツも少なくないので、それらが折り重なった背中の凹凸は単純に解剖図に出てくる体表の筋肉のまんまにはならない。
いわば土台(肩甲骨)そのものが上がったり下がったり傾いだりする、その影響が上に被ってる筋肉を通して体表まで現れる。

そしてその動き自体が上に被さってる多くの肩甲骨接続の筋肉が収縮・弛緩することによって生まれてくる、その影響も加算されるので更にヤヤコシイ……という訳で二つ目の要因↓

2.どこの部位の筋肉に力が入ってるか

骨格を駆動するための随意筋は、基本的に力めば縮んで短く太くなる。
ポーズによって力んでる箇所が変われば、体表の凹凸・陰影にも当然その影響が出る。
マッスルコントロールに熟練したビルダーだと上腕二頭筋(力こぶ)の短頭側と長頭側で収縮し分けることも出来る(……よね、多分)

僕らが無意識に行動してる時でもそれぞれの筋肉のテンションは常に変化してるし、また同じ動き・同じポーズを取っても、人によって筋肉の使い方は異なっていてそれぞれの個性が出る。
(それ以前にそもそも筋肉の付き方や土台の骨格そのものが人それぞれで違うし)

なので一連の動作の途中部分を静止画でパシャッと切り取った際、その人その時々によって筋肉の表情は違っていて、全く同じってことはひとつとしてない筈。

3.筋肉の上に乗ってる脂肪の影響

筋肉と違って脂肪は不随意な軟体。折り曲がった部位の内側からはブニュッと溢れ出るし、オッパイなんかもそうだけど人が動けばタユンタユン、ポヨンポヨン、グニャングニャンとその動作に遅れて付いてくる。
この動きは物理法則に則っていて、脂肪の容量が多いほどまたその粘性が低いほど内側の筋肉とのズレは大きくなる。

じっとしてても弛んでくる脂肪によって体表の陰影は影響されるし、また素早く動けば筋骨と遅れて付いてくる脂肪とのズレは更に大きくなる。

 

……で、最終的に何が言いたいかというとですね……

結構適当でイイんじゃないの?

……ていうヾ(≧▽≦)ノアッハッハ

ヌードやらボディビルダーやらエロい絡み映像やらアレコレ眺めてても、一瞬一瞬のスチルだとその時々の光源の影響とかもあるしで割と謎な陰影が体表に表れてるケースって少なくないようにも思う訳です。
とすると写実性を高めた表現やタッチを目指すにしても、やたらと解剖学的な正確さを求めるより、ある程度から先は「それらしい」お気持ちが絵に表れてれば表現としてはそっちの方が正義かな~……とね。

だいいち自分が使わせて頂く側に回った時に「このオネーチャンのこの前鋸筋は間違いだ!ヽ(`д´)ノ」……なんてな理由でヌケなくなっちゃったら人生にとってロスの方が大きいですしね(゚∀゚*)アヒャヒャ


第2回作画反省会

前回のウザい連続投稿から気付いたらもう1カ月半を越えてるじゃないですくぁ!
自分じゃぼちぼち1カ月くらいかなぁ……と思ってたのに。

この間ちょこまかとコッチのブログに書こうかと思ったこともないではなかったんですが、基本ここには人様にはどうでもいい自前の日記みたいなコトしか書く気なくなってるので、
まぁど~でもイイか~とか、むしろ書かない方が賢明か~……みたいになっちゃって。


先日、前回の反省会のシリーズ投稿を改めて自分で読み直してみたんですが、文体のウザさはともかくとして結構イタいトコを突いてるな、とは自分でも改めて思って。
あそこに書いた5項目、未だに解決できてない問題も多いどころか、書いた本人も忘れて同じ轍を踏んじゃってるところも少なくない。
描いた絵を見ながらの反省会も大事ですけど、その反省会自体の内容も読み返してきちんとフィードバックループ回さなきゃいつまで経っても進歩はないよなぁと。

で、今回はこの画像をネタに、またちょっとやってみようかなと思います。

前の反省会で上げた5課題

  1. 顔の描き方が安定しないね相変わらず
  2. 髪の描き方も相変わらずヘタだ~
  3. ペン描きの線がキチャナイ荒っぽい
  4. 乳首の描き方が悪い意味で記号化されてる
  5. 手を描く時の出来不出来の差が激しい

の中から今回はピンポイントで、1.の顔描きと3.のペンタッチについて。


表示サイズに応じた顔の描き方について

上の画像全体をウチのメインモニター(1920×1080)に表示して眺めてる時、雪江の顔は縦寸が200pxくらいに圧縮表示されてる。

その状態で見た時(A)と、画像の原寸100%で見た時(B)、更に描いてる時のそれより更に数倍大きいサイズで見た時(C)で、印象がそれぞれ違ってくる気がする。
(A)

(B)

(C)

一番最後に載せた作画時画面の等倍表示(C)は表に曝すことを前提してない拡大表示だから色々キツイキチャナイ所あるのはしゃーないにせよ、
やっぱ大きくなるにつれて伝わるニュアンスは濃くなってくようには思える。

ここに紙媒体と違ってオンライン視聴ならではの問題が出てきます。

描き手の気持ちとしては等倍(B)でご覧いただくことを前提に描いてるんだけど、視聴者がモニターで観る時はページ全体を表示してパッと眺めて(A)すぐにページ捲って次行っちゃう人が一番多そうだから、せっかく表情しっかり描いても伝わらずにスルーされてしまうよなぁと。
特に作画も完全デジタルで、画面を拡大した(C)の感覚だけで描いてしまってると実際に観てる人(A)の印象とのズレが大きくなる心配が。
原寸(B)と縮小(A)で眺めても破綻しないように目配りしながら描かないと。だけどコレが結構手間を食う。

今回のこの画像に関しては、右目の涙をもうちょっと直したい。
縮小表示すると目にかぶり過ぎてて、なんか笑ってるようにも見えてしまってる。


ペンタッチとスピード感

上の(C)を眺めても分かるとおり相変わらずペンタッチが雑。

プロの漫画家さんのインタビューや作画動画なんか見ててもペン入れの時は息止めて一発でスーッと引く……みたいな真剣勝負感だしてる人も多いけど、それに比べて僕はシャシャッと短いストロークで投げ出すような描き方をしてしまってるので線がキチャナイ。

ベクターレイヤーで引く主線や輪郭線に関しては、もう描いた後から全頂点をイジッて輪郭や太さを調整し直すくらいの手間を掛けないとダメかも。

あとハッチング(とも言えないような小汚いシャシャシャって影付け)は、前回の反省会で当面描かない方向で行くって決めたんじゃなかったかね陰陽君?

……スンマセンすっかり忘れてました。

ちょっとだけ言い訳すると、今課題にしてるひとつに、スピード感をどう表現するかってのがあって。

このコマに関してはスピード線レイヤーも全体に載せてみたんだけど、暗い密室の中で男と女がグチョグチョとヤッてる重たい淫靡さを出すには余計だなって判断して最終的には消しました。
だけどそのグチョグチョ感はしっかり出したくて、特に会長がケツをグリグリ左右に捩じってる描写は大切で、

・ケツ周りへの移動ぼかし
・輪郭線を重ねてブレた感じを強調
・体に乗せた若干の手描きのスピード線
・一部の輪郭線に被せた跳ね線

……なんかをあれこれ使ってる間に、「線を丁寧に綺麗に入れる」っていう大前提がスッ飛んでしまってた。

この、スピード感と、綺麗な線の両立ってのが、なかなか難しくて。
スピード感はある程度勢いのある線の方が出てくるんですが、それをやろうとすると今度は雑さ汚さがタッチに混じり込んでくる。
色んな絵師さんの手法を研究したりしてますが、なかなか上手くいかないですね。
基本的に頭で考えても手の技術が付いてきてないという。

ハッチングの上手さエロさでメチャメチャ勃起させられたのはusaさんのこの作品ですね。

シズル感ちゅーんでしょうか、いや~スゲっすよ。

(……とはいえ真似しようっても一朝一夕に真似られるモノじゃないし、タッチや塗りの違いもあるからそのまま真似て自分の絵が良くなるとも限らんよな~ってのもまた難しいところではあるのだけど……)