商業R18ゲーの販売数についてちょっと調べてみたので…

…せっかくですので、ブログネタとしてまとめておきます。

先日、ルネソフトさんのスタッフさんが書かれているブログのこちらの記事を拝見しまして、
ルネソフトがソーシャルゲーム開発に参入したワケ
「あ~キビシイなぁ~…」と溜息ついてたところに、タイムリーにTwitterの方でR18ゲームの年間売上に関するショッキングなツイートを見かけて、思わず脊髄反射でRTしちゃったんですが、、、

その内容の信憑性について極めて疑わしいのでRTよしなさい、と某先輩にお叱りを受けまして。
慌てて返信ツリーを確認してみたところ、多数の方から再三に渡って「数字のソースを示してください」という返信があるにもかかわらず、それに対する対応が全く見られない辺り、確かにコレはダメだな~、とRT取り消しました。
(そういった事情で、件のツイートへのリンクはここには貼りません)

状況証拠的にその数値を「ガセ」と糾弾する返信も多数ありましたが、ガセならガセと判断するのにも自分なりにそれ相応の公的な数字のソースが欲しいな、と思い、ここ2日ほどちょこまかと調べてみました。
残念ながら、近年に至るまでのR18ゲー販売総数データそのものズバリ!というものには辿り着けなかったのですが、参考になりそうなデータが3つほどありましたので、ご紹介しておきます。


エロゲの年度別販売本数(ソフ倫推計値)2011-05-07
http://d.hatena.ne.jp/efemeral/touch/20110507/1304773959

こちらはソフ倫データに基づく2010年度までの「エロゲ」審査本数と販売本数だそうです。
こうして見ると2009年度以降に500万本超→400万本前半へと販売本数の急落傾向が出てますが、いかんせん肝心のその後~現在までのデータが無い。

 

お次が、そのソフ倫サイトの中にあったこの表ですね。
各審査実績本数
http://www.sofurin.org/htm/about/results.htm

当初この表の画像だけを単独でTwitterに投稿されてる方がおられて、ただ、この表の数値と先に紹介したはてブロの数値が一致してなかったので、おそらくこの表はエロゲ以外も含んでの数値じゃないのかなと思ったので、その投稿者の方にお問い合わせしたのですがご回答得られず。

それでソフ倫(EOCS)サイト内を調べていたら、このページを見つけることが出来ました。
ここからやはりこの表に示されているのは、ソフ倫が審査を行った全ての本数と販売本数だと判断しました。
その中にはレーティングがR18未満に設定された作品や、EOCSサイトにも書かれているような「アイドルビデオの審査」なども全て含まれていると考えられますので、R18ゲーム、いわゆるエロゲに限ればこの数値より減ってくるでしょう。
2つの資料の数値を突き合わせると、EOCSの審査本数の半分~8割くらいが「エロゲ」と類推できますかね。

パッケージの販売本数が950万本→283万本と激減する一方で、2003年から始まったPCダウンロードの方がトータル700超の審査数と100万本越えの販売本数になってきてますが、それを合わせても2003年の950万本の半分にも届かない販売本数。
やはり斜陽化の指摘は免れないですねぇ。。。

 

3つめがこちら。
今日から始めるゲーム統計学 【エロゲ解析】発売されたゲームタイトル数の推移 (サンクリ2017夏-新刊サンプル)
https://tsubame30.exblog.jp/24463443/

こちらのサイト主さんは、ErogameScapeのデータを元にして他にも色々と統計解析されてるようです。
販売総数には触れられてませんが、タイトル数の推移は(2010年代前半のAndroidブームを除けば)800~1000本くらいで、2010年代後半は漸減傾向ですかね。

 

以上のデータから類推すると、ピーク時の2003年頃に比べて販売タイトル数は減少傾向が予想されますが、売上はそれより大きく落ち込んで半分以下になってるのは確実かと思われます。
(だからといって、きっかけになった元ツイートにあった10分の1以下というような極端な数値は見当たりませんので、やはり元ツイートの信憑性はかなりブラックな印象を受けます)
要するに、リリース数そのものが劇的に減ったのではなくて、1本当たりの単価あるいは売上本数が顕著に下がっていってるというのが実態かと。

実際商業エロゲでも最近は1万円前後のフルプライス版よりもせいぜい3000円台くらいのロープライス価格帯のモノの方が目立ってる印象受けますから、販売本数の減少と合わせて単価の下落も業界総売り上げに反映されてる可能性。


で、本質的に大事なのはこうした数値よりも、エロゲは衰退してしまうのか、これを食い止め盛り返す算段はないのか、というお話の方だと思うのですが、まぁそれはアタシのような同人の隅っこのペーペーがアレコレ言ってもナニですので、鏡裕之先生の以下の考察をご紹介しておくことに致します。

新・エロゲーが売れなくなった7つの理由
https://note.mu/kagamihiroyuki/n/n4d8a2555c667


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