『僕の妻のCG集』by 雨傘日傘事務所

昨年末にリリースされた作品ですが、やはりコレはどうしても感想文書いておきたい作品だったので。

主人公主観+妻+間男。実質登場人物はこの3人だけ。ストーリーも、妻が寝取られて堕ちるまで、それだけ。
ただそれだけの、NTRのエッセンスだけを鍋に入れてクツクツと煮詰めたような、濃厚な描写が堪らんかったです。


NTRの三角関係ってのは突き詰めるとシンプルなだけに物語の枠というかパターンはある程度限られていて、後はどうキャラクターを立たせて魅力的な人物像&人間関係として見せられるかが作者の腕の見せ所。そういう感覚を改めて噛み締めさせられた作品でした。

この作品の採用パターンは「遠距離NTR」。
故あって物理的に遠い場所に隔たれてしまった恋人や奥さんが、ビデオ通話越しに間男に仕込まれてくのを為す術なく眺めさせられる、というヤツ。
よく目にするパターンは大学進学等で別の地方に男女どちらかが引っ越してってヤツですが、今回は「僕の妻」で単身赴任のパターンですね。

ただその単身赴任に至る経緯や赴任先の状況なども通り一遍でなくよく考えられていて、お話にリアリティを加えていると思います。

更にこの少し特殊な海外赴任状況に主人公ジュンくんの優柔不断で弱気な性格がうまくマッチしていて、ネットの向こう側で明らかにおかしなことに侵食されていく愛妻ハルカさんを眺めながら、一生懸命に自分に言い訳して見てみぬふりしてる内にアチラ側で彼女はどんどん染められ寝取られていく、この主人公の負け犬っぷりが実に素晴らしい(゚∀゚)アヒャヒャ

考えてみたら彼は顔出し無しですから、登場人物3人と書きましたが姿形持って描かれてるのはハルカさんと寝取り男ユウタの二人っきりですね。
画面上にはひたすらこの2人の濃厚エロ場面が描かれ続けていく。


そんでまた、この寝取り男ユウタのドキュンなチャラ男っぷりがジュンくんと好対照になっていて、気弱なイイ人が押せ押せな強気男に徹底的にいてこまされて踏みにじられる、弱肉強食なNTRの醍醐味が堪能できます。

しかしこのユウタ君、相当遊び倒しててきっと山ほど女抱きまくってきたんだろうと感じさせつつ、ハルカさんには相当執着しているあたり、ヘラヘラとしたチャラ男キャラを演じながら作品には描かれない彼の心情は実は結構マジなのかも……なんてことも想像させられましたね。
少し年上のお姉さんとして子供の頃から長年憧れ続けてたハルカさんがあんなヘタレとくっ付いたのがどうしても許せなくて、全力で実力行使してアイツから奪ってやる!って腹を括って乗り込んできたのかもなぁ、などと。

私的な話ですけど、僕にも幼少時に憧れてた近所のお姉さんっていう存在がおられまして。
その一家は僕が小学生の間に引っ越してってしまったんですが、高校の時に一度だけ地元に戻ってきてウチにもご挨拶に来られたんです。でもその時会えなかったんですよ僕。
何でも彼女、間もなく結婚するとかでその親戚挨拶みたいなんも兼ねての帰省で、今から思うとあの時僕が応接間に顔出ししなかったのは思春期の照れだけじゃなくて、羨望とか嫉妬とか失望感や理不尽な裏切られた感、そういうのが綯い交ぜになってたんじゃないかなぁ……なんてこともユウタを見ててふと思い出したりして。

なので彼の悪逆非道、傍若無人ぶりに対して、あの時の自分のルサンチマンに対する報復、そのカタルシスを託してたかもしれません。


そして寝取られるハルカさんが、決して「絵に描いたような」スタイル抜群の極美人さんじゃなかったりするあたりも、本作に関しては逆にナマナマしくてエロくて良かったです。
あの巨大乳輪の垂れ気味ホルスタイン乳とか、緩んだお腹周りの脂肪の付き具合とか、作品冒頭の大人しげなピンクのカーディガンとか、イモ臭い髪型とかダサい黒縁メガネとか地味なソバカス顔とか(言い過ぎだろオイw)

でも彼女がこうしたキャラだからこそ、女には全く不自由してなさそうなユウタがこうも彼女に執着する裏事情も彷彿させられるという。

そんな彼女が物語の進行に連れて徐々に洗練?されていく訳ですが、雨傘日傘事務所さんはこうした特徴的な女体の描き分け、グラフィックの上手さも際立っていて、その肌塗りのシズル感がチンコの食欲を大いにソソってくれました。
後半scene:09あたりで、固定カメラの向こうで次から次へと色んな体位でハメ倒されてく描写は盛り上がりましたデスねぇ(○´∀`○)

あと電車のシーンなんかも個人的にヨカッタですねぇ。
地味目で真面目な女性が、欲情に理性をブッ飛ばしてガバァッ!
……とやらかしちゃうのが(゚∀゚ )イイ!
あのハルカさんの性格だから一層映えるんです。露出モノAVで時々見かけるような羞恥心の無いビッチ女だったら、僕「ケッ」てしかならないもの。


そんなわけで美麗でエッチでとても美味しいグラフィックなんですが、テキストの方もガッツリ多めです。
300ページを越す枚数通してしっかり文章量もありますから、“セリフは短文で専らアンアンばっか、パラパラっと絵だけ眺めて即抜き”って昨今多めのそんじょそこいらのCG集とは一線を画します。

NTRBLOGさんの感想など読んでると、
裏側での事情に読み手側の想像補間が要求される点への苦言は分かる気もしますが、
敢えて足りてない、ピースの欠けがある感じが、本作は独特な余韻になってるところもあるやもしれません。
(でも賛否それぞれのコメントにナルホドと思わせられるところがあって、作り手側の立場としても大いに勉強になりますね)

全く物語には登場することのない黒幕的悪役の影がチラついてたりもして、この作品の裏側にはもっと巨大な組織権力や社会悪みたいなのまでが潜んでて、実はこのお話はその中にあってのごく小さなサブストーリーに過ぎない……なんてところまで妄想広げることも出来そう。

それにしてもラストシーンのハルカの、理不尽極まるヒッデぇ宣告とともにブツッ!とお話が終わる、あの身も世も無いエンディングの無惨さ!
実にスバラシイ(ノ∀`)・゚・。 モウナクシカナイ…


同一作者作品の過去感想↓
『ぼくのおさななじみのCG集』by雨傘日傘事務所で、“NTR感”と“エロのインフレ”について考えた


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