デビュー作で見せたセンスは本物!>『クローゼット0~奪われた純潔~』by山雲

最近制作の方にパワー持ってかれてブログが後手後手になっちゃっててスミマセン(><)
この作品もリリース直後に読んで、すぐにでも記事書きたかったんですが、1か月以上過ぎてしまいました。
もうこれを機会に感想文に関しては速報性にはあまりこだわらず、新作も過去作も含めて自分が好きな作品、面白いと感じた作品を紹介していくようなスタイルにしても良いかな、なんて考えたりしてます。

…と、どうでもいい僕の近況報告はこれまでにして、本題です。

クローゼット0~奪われた純潔~
DMM
DLsite

デビュー作『クローゼット~幼馴染の真実~』でDLsiteとDMM合わせて1万DL超えのスマッシュヒットを放った山雲さんの、待望の続編。
ちなみに『クローゼット』の方も僕スゴい好きな作品で、以前感想文書きましたので、よろしければそちらもご覧ください。

そして本作ですが…僕デビュー作以上に、コチラの続編更に更に好きです!

前作は30ページという比較的短い構成の中に、とにかく余分な枝葉は一切省いてNTRのエッセンスだけをギュ~ッと凝縮したような物語。すなわち、幼馴染で密かな想い人であったヒロインりんかがチャラ男の先輩に既にシコまれた「あとの祭り」を、主人公たかしが偶然覗き見て嫉妬と敗北感にギリギリする…という、りんかの部屋での出来事にほぼ特化した内容でした。
いきなり前触れなく“抜き打ちバレ”シーンのショックに主人公が襲われるNTRの醍醐味漫喫の読み切り短編だったワケですが、一体どういう経過でこんな気丈でしっかり者のりんかがこうまで堕とされたのか、肝心の部分は全く語られませんでした。
でもその一番美味しいトコが語られないからこそ読者の妄想補完に任され、その未消化の故に一層NTR特有のムラムラモヤモヤとした欲情を誘った面もあったと思うんですね。

ただ、その最大のお宝を隠したのが作者山雲さんの計算づくのことだったのか、それともその部分は作者本人にもまだ明快なイメージが無いまま勿体ぶった描き方をしたことが結果的に功を奏したのか、これがデビュー作であるだけにイマイチ判断つきかねる所もありました。
その答が出るのは、作者ブログで告知されていた続編を見てからのことになるな、と思ってたのですが…

山雲さんがこの続編で示された回答は、予想以上の素晴らしいものでした!

以下ネタバレ含みますので、未読の方は是非本編お読みになった後にご覧ください。
本作はラストまで読んだ上でもっかい全体の仕組みを俯瞰しないと、見えてこない構造の巧みさがあると思いますので。




前作の前日譚となる今作品最大のキモ。
僕は常々、NTRが物語として面白いものになるかどうかは寝取られる主役以上に、寝取る敵役キャラにどれだけ魅力あるかが大事だと思ってるんですが、
本作で意表を突かれたのが、初話ではNTRものの敵役としては名前のとおり比較的味付けの薄い(つーか前作では名前すら出てない)、ヘラヘラと小物っぷりを醸してショーもないチャラ男にしか見えなかった薄井先輩が、この続編でその正体を表すにつれ想像外の腹黒っぷりを発揮してきた点で。

その薄井の堕としの持っていき方も上手いなぁと思いましたね。
潔癖なりんかに「ずるい」という言葉で水を向けることで拒絶の意思表示する手段を封じ、そこで予め「一回だけ」という口約束を軽く取り付けておいたことを翻って利用して、いきなりブチ込むんじゃなく時間を掛けてグチョグチョネットリ仕込んでいく。
イヤ~、顔に似合わずネチッこいなぁ先輩~♥

りんかってば初っ端でもう引ん剥かれるわ揉まれるわ吸われるわ手マンされるわ、既にあそこまで崩されちゃってるんですから、そのまま強引にヤッちゃう手だって薄井にはあった筈。なのに、何でわざわざそれをしなかったのか?
そこは勿論、焦らしという名の読者サービスの面もあるでしょう。ターゲットが処女なれば破瓜の場面というのは最大のクライマックス! そこへ持ってくまで敢えて挿入回避しながらヒロインの体に快楽を植え付け沁み込ませていく、というストーリー展開は王道の一つです。
ですが、その“処女のまま弄ぶ”お預け展開で読者を焦らす為の理屈付けは結構難儀で、そこの詰めが甘いためにやや残念な印象になってしまう処女寝取られ作品というのもしばしば目にします。
本作はそのあたりをなかなか巧みに処理していて、山雲さんの創作者としての力量を感じさせてくれました。

「一回だけ」の約束を先延ばしにすることでりんかの体を弄くり回す権利を延々と担保する薄井。そうした薄井の思惑が見え見えだと分かっていても、その「一回」を認めれば処女を奪われるりんかは首を縦に振る訳にはいかないし、さりとて生真面目な彼女は済し崩しに結ばされてしまった約束を反故にすることも出来ないダブルバインド状況に追い込まれていきます。
そして本作を最後まで読んだ所で読者は再度気付かされる訳です、そういった理屈の全部が端から薄井の計略の内だったことに。
(僕はこの寝取り男の小狡さこそが本作の脚本としての妙味だと感じたんですけども………NTRBLOGさんの感想欄読んでたら「一回だけつっといてずっとヤッてるじゃねーか」といった異論が幾つかありまして、う~ん………意を凝らしてこの段取りを構築した作者の思惑を、でもこの描き方じゃまだ受け取ってくれない人もいる、もっと上手い描き方を考えなきゃダメなのか~、シナリオってやっぱ難しいなぁ、と思いました………。)

他にも、山雲さんの作劇が上手いなぁと思ったトコ。小技がアチコチで効果的に効いてますね。
・母の台詞に続けてのページ=カメラの切り替えで、りんかの最初の欲情顔を提示してみせる(と同時に、母に相手をたかしと誤解させることで初話のりんか母とたかしの会話に繋げる)シーンとか、
・二人が連れだって歩く後ろ姿を見かけ、不安に駆られたたかしが保健室にりんかと薄井の姿を追っていくのと、りんかの処女が奪われる場面をカットバックで見せていく盛り上げ方や、
・既に体を開発されていたりんかが意に反して快楽に溺れてしまうのを、彼女のたかしへの恋情と絡めて「変態」と自覚させることによって、更に心理的に縛って堕としていく手管とか(そこでタイトルの「クローゼット」にまで意味付けして結びつけるのはまぁちょっと凝り過ぎ感もなくはないけどw、そういったところまで創意工夫を凝らそうとする作者の創作姿勢は素敵♥です)。

敢えて贅沢な不満を言えば、りんかが遂に「もう終わりにして」と挿入を認める場面が割合淡々と描写されてたトコですかね。
前述したように、ここまでりんかが薄井との関係を断てない理由は彼女の性格ゆえのダブルバインドにある訳で、それを彼女自ら崩して薄井とのセックスを承諾してしまう動機付けがもうチョイあればなぁ、と思ったのです。生来潔癖な女性が処女のままフェラからゴックンまでやらされてしまった結果心が折れてしまうのは現実的にはあり得る話ですが、せっかくそこで窓の外にいるたかしとの会話があったりした訳ですので、彼への裏切りの葛藤などもう一段彼女を精神的に追い込むような決定的なフラグがあの場面で立っていたら、その後の、わざわざたかしの名を出してりんかの「変態」性を呷る初Hのシーンは一層やるせないものになったのではないかと。

さてさて、こうしてりんかは「一回だけ」の筈のセックスで快楽を認めさせられ中出しを請わされ、一晩中何度も何度も犯されまくって結果的に薄井のものになってしまいました。小さなコマ割りですが二人が同じベッドで同衾してる3コマの連続、そこに示される時間の経過と薄井に背を向けて眠るりんかの諦念に僕はゾクゾクッと来ましたね~。
そしてその後、一切合切が実は全部薄井の掌の上でのことだった、というのが本作の最後になっていよいよ明かされます。りんかの部屋でのワンショットインパクトを描いた短編第1作が、この第2話のエンディングまで来るとストーリーもののNTRとして楽しめる内容に膨らんできました。
最終ページでほくそ笑む薄井の横顔には、最早僕が前作の感想に述べた「男としても人としても、そんなに優れてるワケでもないド~でもよさげなヤツ」の片鱗はありません。立派な悪役であり、りんかに対する並々ならぬ執着とたかしに対するあからさまな敵愾心を持った「寝取り男」として、明確にキャラが立ちあがってきてます。

この物語が、次回どのような決着を見せるのか?
完堕ちで奪われる悲劇の喪失エンドになるのか、それともココまで終止蚊帳の外に置かれて良いようにバカにされてるたかしが男を見せる大団円になるのか。山雲さんの手腕が更に発揮されるであろう完結編、僕ァ今から楽しみで堪りませんよ~!


お久しぶりの進捗報告。毎日毎晩カキカキカキカキ………

「ブログ更新最低でも月3回」などと言っておいて、また1ヶ月空いちゃいました………orz

「ま、新米サークルの脱落率は軽く9割以上らしいからアイツもそろそろ死によるワイ」
…そんなふうにお感じの方もおられるかと思いますが………

どっこい生きとるわいまだまだ死んでたまるかドリャ~ッ!!!φ(▼▼メ)

って怒涛の勢いで、毎日毎晩シーン絵の下描きを描き続けておりますですよ。
エエもぅブログの更新してる時間も、待ちに待った『イロヨリドリ』のプレイ時間も確保できないくらいの勢いでね!ウワーンヽ(TдT)ノ
チクショーみんな楽しそうに感想ツイートとかしよって~!


先月頭から取り掛かったイベントシーンの下描きは、現在半分を少し越えた辺りです。

下描きサンプル1

下描きサンプル2
下描きサンプル3

下描きサンプル4もっと絡みシーンのヤツとかアップしたいけど、それはこの先ぼちぼちと小出しに(^^)
なおサンプル画はpixivでも順次公開しています。

当初の目標は今年中に下描きを終えて、年明けから線画仕上げ→色塗り工程に入っていく予定でしたが、どうも年内に全下描きを終えるのは難しそうです。
1月中を目途に下描き済ませて、線画の清書を2月中に終えて、3月から色塗り、くらいのスケジュールになるかと思います。
最終的に全工程終えるのがいつ頃になるか………未だに自分でもゴールが見えません。はぁ~ε=( ̄。 ̄;)

だけどまぁ日々こんな調子で溜息つきながらも、とりあえずまだ諦める気配は微塵もなく粘り続けておりますので、どうか皆さん見棄てないでくださいね~(´;ω;`)ブワッ


さて、以後は少し楽屋裏のグチみたいな打ち明け話でも。

絵を上達させるには、まず第一に「とにかく描く」しかないのですが、
思うように描けない自分のヘタクソっぷりが苛々へフィードバックしてくるしんどさは、脚本のテキスト打ちやスクリプトのコーディングとは、全然種類の違うストレスですね。

描いてる内に、少しずつでも上達してるかな~、ていう手応えを感じなくもなくもない…んですが、
それがまた弱ったコトにですね、ちょっとでも上手くなったかな~、て思えると、返す刀で以前に描いた絵のアラが目立って、描き直したくなっちゃうんです。

更にですね、コレどなたかツイッタ―でも仰ってましたが、「ヘタだから形取るのに時間掛かる。上手くなれば速くなる」て思ってたらコレが大間違いでしてね。
段々今まで見えてなかったモノが見えるようになってくると、細かいトコまで描き込んだり、微妙な輪郭の削り出しまでこだわって描いたり消したりと、むしろ1枚当たりに掛ける時間は増えていくという。。。

最近じゃ、どんな簡単なシーンでも描く前にデッサン用フィギュアやファイセンドールにポージングさせてスマホで撮影する前段準備が必須になってきてます。
何千枚何万枚と描き続けて頭の中にイメージの引き出しを一杯持ってる絵師さんと違って、にわか絵師の僕の脳内記憶は甚だ不鮮明で、ぶっつけの想像だけで描き始めても「ここ分からん」って壁にブチ当たるとそこから先へは進めなくなっちゃうんで。

元写真下描き

「だけどこういう描き方なら、写真を下敷きにしてトレスするだけだからズルだし楽だし俺でも描けるワイ」
…いや、それがですね………実のところ、写真をトレスするだけじゃ「絵」になりませんのです。

自分でやってみた印象では、実写レンズの歪みから生まれる”パース”と、絵を効果的に見せる”アオリ”は別物です。
人物やドールの写真から絵を起こすにはまず写真側のパースを取り除いた上で、それが絵になるために必要なアオリという脚色=嘘を加えてかないと、魅力的な2次元エロまでには到達できないと感じました。
(なのでネットで漁った写真をトレスするようなコトやっても、きっと出来た絵は使い物になんないです。勿論2次元画像のトレパクもやってませんよ~)

またファイセンドールを使えばプラスチック製のデッサンフィギュアと比べてずっと柔軟で人に近いサンプルショットが得られますが、それでも実際の人間に比べるとポーズが遥かに堅いです。男女の体が絡み合う濡れ場なんか特にね。
その堅さを取り除いて生身の肉のや~らかさを醸し出そうとすると、やはり基本的なデッサン力や最低限の人体描写の知識は不可欠だな~って。
(てなわけで、モデルさんをやって頂ける生身の方♀随時募集しております。
あ、♂モデルは自前でやりますので募集しておりませn(o゚Д゚)=O☆)゚ロ゚)☆)゚O゚)☆ドカ!バキ!)

で、そこまでやっても出来上がってくる絵はやっぱり実力相応以上のモノは出てこないのが、また歯痒いわイラつくわ。。。「違うんだ!俺の描きたいエロはこういうんじゃないんだ!」て毎日毎晩悶絶しております。
世の中には巧い絵師さん一杯いらっしゃいますけど、ホント皆さんスゴイですね。一体どんだけ修練積んだらこんなレベルに到達出来るんだ!?て溜め息出るような神がわんさか………はふゎぁ~ε=( ̄。 ̄;)


あ、それと、まだまだ先も長いので、これからは毎日30分程度ブログの記事書きに時間を配分して、まとまった記事から公開してくようなやり方に変更するつもりです。
なのでブログの更新の方も今度こそ、今までよりもうちょっとコンスタントに出来るかな~、と思ってます。

そんなこんな亀の歩みではありますが、年明け以降も引き続き陰陽倶楽部をどうぞよろしくお願い致します~(^_^)ノ…テ、コレガコトシサイゴノコウシンジャナイヨ